私は一人っ子
私は一人っ子。
親に迷惑をかけてばかりの一人っ子だ。
あるときは、変な病気になり親を泣かせた。
そしてまたある日は、親とぶつかり合って困らせた。
そんな私にいつも両親は、
私たちが歳をとったら、この子ひとりで大丈夫かしら。
と言っていた。
そんな私も、大人になった。
2人しかいない両親なのに、
ある日は変な病気になったり、私を泣かせた。
そんなとき、両親がときどき開いていた
オレンジ色のファイルが目に留まった。
そこには、家族の保障内容がずらりと並んでいた。
「ひとりでできるもん」
私はそう呟いて、きちんとファイルを手に
ひとりでお店に向かった。