今日は息子の高校の合格発表の日。
そして我が家の引越しの日でもある。

長年住んだこの家には、息子たちのひとり部屋は無かったので、
高校入学を期に部屋を用意してあげたかったのだ。

しかし引越しの日と発表の日が重なったのは誤算だった。
朝から荷造りに追われ、
バタバタと引越し業者の人たちがトラックへ荷物を運び出す。

息子に
「ごめんね。一緒に合格発表見に行けそうもない」
と言うと、

「逆に来て欲しくない」
と照れながら、学校へ向かう。

引越し作業の最中にに夫が
「やっぱりちょっと見てくるよ」
と出かけた。

発表のある学校までは、自転車で5分。
少しして、電話が鳴った。

「受験番号、あったよ！」
と夫。ほっとひと安心。本当に良かった。

夜、ひと段落してダンボールから荷物を出す。
引越しが無事すんだのと、
息子の合格の嬉しさがじわじわとこみ上げてくる。

ダンボールから出した書類を整理しながら、
ふとオレンジ色のファイルに手が止まる。

いろいろな保険会社をまとめてもらったのだ。
思えばこの子ほど、保険のお世話になった子もいない。

2歳の時から肺炎や食中毒など、
入院3回、手術2回、骨折2回。

どれも大病じゃなかったけど、本当に助けられた。

やっと高校生になったけど、まだまだ先は分からない。
これからも息子を頼みます、と心でつぶやき、
そっとファイルを閉じ、タンスの奥へしまう。