私 ガンだって・・・

私 ガンだって・・・

私 ガンだって・・・

「私、ガンだって」

何の前触れも無く、唐突に告げられた母の言葉。
私はすぐにその言葉を理解することができなかった。

ささいなことで反発したり、
お互いにふざけたことを言い合ったり・・・
小さな子どもでもないのに。
そんな当たり前の日常はこれからも当たり前に続くと思っていた。

母のたった一言で、
その日常が突然無くなってしまうことの怖さや、
これまでがどんなに幸せだったかを思い知らされた。

「何かあったときは、このファイルを見てね」

私は今まで自分のこと、目の前のことしか考えていなかった。
母から手渡されたファイルを開いた時、
母は自分以外の家族のこと、
これからのことをきちんと考えていてくれたことを知った。

ファイルを閉じて私は、
このファイルを私が開くのがまだずっと先であること、
またあの日常が戻ってくることを祈った。




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