お母さんって本当に心配性
「車に気をつけて!」
学校へ急ぐ私の背中に、母はいつも声をかけてきた。
私が大地震に見舞われたときも、
夜中にもかかわらず、1分後に母が電話してきたっけ。
「お母さんって本当に心配性。もう大人なのに」
とあきれた日もあった。
でも・・・今ならわかる。
母は小6の時に、父と幼い弟を自動車事故で失った。
大事な人が急に目の前からいなくなる悲しみと辛さを、母は知っている。
そんなある日、母が私に一冊のファイルを手渡した。
「自分に何かあったときは、これを見てね」
「元気なのに、そんな心配しないでよ!」
とおどけながらも、母の想いを感じ胸が熱くなった。
そんな私も二児の母。
毎日子どもにあの時の母と同じ声かけをしている。
私もそろそろ、あのファイルを作らないといけないな。
そんな気持ちにさせてくれたのは、お母さんだよ。
・・・ありがとう。