今までできなかった分も含めて ここから親孝行を始めよう
小さい頃から、母は一人で僕と兄を育ててきた。
母は毎日仕事をしていたので、自分の記憶の中には、
母との思い出はあまりない。
兄に毎日面倒を見てもらい、頼れるのは兄だけ。
そんな日々を過ごし、18の時に実家を出た。
その頃から母とは一切連絡を取らずに社会人になった。
そんなある日、仕事をしているときに兄からの着信。
「母親が倒れた」
との事。
急いで病院に駆けつけた。
母は無事だったが、一人では生活できない状態に。
その後、病院で母が
「実家の机に、オレンジ色のファイルがあるからそれを見て」
と言ってきた。
実家に行ってみると、
机に「きちんとファイル」と書かれたファイルがあった。
開いてみると、
「今まで何もできずにごめんね」
というメッセージとともに、母の入った保障があった。
その時、自分は固まった。
今まで、何をしていたんだろう?
母は常に私たち兄弟のことを考えてくれていたとに、
その時気付いた。
僕は思った。
今までできなかった分も含めて、
ここから親孝行を始めよう。