子どもはいくつになっても 心配なのに
心配ばかりかけてた子どもたち。
気がつくと私たちを気遣い始めている。
いつの頃からだろう。
結婚して家庭を持った息子。
そして子供ができ、父親になった息子。
世間でよく言う
「子を持って初めて気付く、親のありがたみ」
あれなのだろう。
想えば、通ってきた道である。
ある日のこと。
「まとめておいたから」
と言って渡してくれた、オレンジのきちんとファイル。
家中の保険証券を持ち出して、
近くの保険ショップでつくってきたという。
私たちは、笑顔で「ありがとう」と嬉しがってみせる。
そして私は、心の中でつぶやいた。
「子どもはいくつになっても、心配なのに。」
息子がこれに気がつくのは、ずいぶん先の事なのだろう。