家族には秘密で病気と闘っていた父
私は母と二人暮らし。
父は半年前に亡くなった。
40代でがんがみつかったがんで、血液のがんだった。
私が高校受験のときだった。
父は受験生の私と心配性の母には病気のことは隠していた。
大学に進学した頃、」
「実はお父さん、入院することになったんだ」
と父から告げられた。
ショックだった。
内緒にされていたことがとてもショックだった。
「お父さんは治療を続けながら、
退職するまで仕事に手を抜くことはなかった。」
と亡くなったあとに、会社の方から聞いた。
父が亡くなって初めて父のきちんとファイルを開いてみた。
そこには父の入っている保険が載っていて、
病気がみつかった時からもらった金額と日付が全部メモしてあった。
几帳面な父らしい・・・。
最後に書いたメモの父の文字には力が無かった。
私は父の生きてきた証と、母と私への愛を感じ、
涙が止まらなかった。
「お父さんのきちんとファイルもらってもいいかな?」
と母に聞くと、
「これも一緒にあげるわ」
と受取人が私の名前の、母のファイルを渡された。
私のことを大切に想ってくれる父と母。
その想いの詰まったきちんとファイルと一緒に頑張って生きていきます。
「ありがとうお父さん。」