このささやかな光景が 今ぼくたちをつつんでいる
定年を迎えたある夏の日、
妻との昼ごはんを終え、ぼんやり外をながめていると、
ぼくは忘れかけていた歳月をふと思い出していた。
過ぎ去った日々のこと、
何も考えずに、
何も気付かずに、変わり続けてきたこと・・・。
すくすくと育つ子どもたちの寝顔を見ながら
仕事に追われていた日々、
そして娘たちは嫁いでいってしまった。
ふと我に返ると、
妻は台所で後片付けをしている。
このささやかな光景が、
今、ぼくたちをつつんでいる。
「きちんとファイル」も見直そうかな・・・