もし僕が死んだらどうなるのだろう・・・
父が亡くなった。
長男である私は母をサポートし忙しく動き回った。
役所や銀行など分からないことばかり・・・。
「そういえば父さんの保険はどうなの?」
なんとなく気になり、母に尋ねた。
「それならここにあるわよ。」
母が持って来たのは、
きちんとファイルと書かれたファイルだった。
そこには、生命保険や火災保険、自動車保険など
恐らく父が加入していたすべての保険が書かれていた。
無事に父の葬儀も終わり家に帰った。
妻と子どもの顔を見た瞬間、ハっとした。
「もし僕が死んだらどうなるのだろう・・・」
妻の顔を見るなり、尋ねた。
「そういえば僕の保険どうしてたっけ!?」
父の一周忌。
私はきちんとファイルを母に見せた。
母はただ笑うだけだったが、少しだけ親父に近づけたと思うと嬉しく、
妻と子どもに微笑みかけた。