私がいなくなっても か弱いこの子を守ってあげたい
私には、毎月自分に課している儀式がある。
それは、自分の遺言書を見直すこと。
さすがに毎月書き直すようなことはないけれど、
どうなっているか確認をしないと落ち着かない。
と言っても、私に大した財産があるわけではないし、
そもそも子供はたった一人しかいないので、
相続争いの心配はない。
普通の親子であれば、遺言などという面倒なものは作らないだろう。
しかし、私にはどうしてもそれを作っておきたい理由がある。
今年で20歳になる私の可愛いおチビちゃんは、
4歳で成長が止まったままだ。
もちろん身体は歳をとるのだけれど、
生まれつき重度の知的障害を持って生まれた娘には、
一人で生きていく力がない。
私が亡くなった後のことを考えるとき、
どんなに小さな財産であっても、
すべてこの子のために使ってほしいと思う。
今年から、遺言書にもう一枚同封するものを増やすことにした。
私の持っている保障内容をひとつにまとめた「きちんとファイル」。
契約者が私になっている、この子の保障も含まれる。
私に何かあったとき、この子のためにできることを確認できて、
今月の私は先月の私よりも、少しだけ安心できた。