夢を支える 父の自転車
西暦2030年。
天気の良い休日ということもあり、
今日はロードレーサーになるためのトレーニング。
高齢化社会などにより、車に乗る人が減り、
世の中はエコブーム。
自転車が大流行している。
だからロードレーサーは人気のある職業だ。
「今日はひとりだけど、親とも昔はよく
サイクリングに行ったなぁ・・・。」
玄関に愛用の自転車を片付けながら、思い出す。
そういえば2015年のあの日。
父は自転車に乗っていて事故にあった。
あの時は大変だったけど、父も無事で、
その治療費は保険に入ってたおかげで何とかなったんだよな。
家に何気なく置かれていたきちんとファイルを見て、
あれから乗り続けているこの自転車も、
そのときの保障でまかなわれていることを思い出した。
今、ロードレーサーになる夢に向かっている僕を
三輪車の頃から見守ってくれている、きちんとファイル。
父の大事な思い出とともに、
きっとこれからも私の夢を支えてくれる。