結局私は彼の事をどこまで分かってあげられたんだろう
「お互い幸せになろうね」
そう言って彼はドアを閉めた。
今日正式に離婚することが決まった。
三年間の短い幸せだった。
お互い仕事で忙しく、最後の半年は殆ど会話もなかった。
何でこうなってしまったんだろう・・・。
こんなはずじゃなかったのに・・・。
結局私は彼の事をどこまで分かってあげられたんだろう
テーブルの上にはさっき書いたばかりの離婚届。
その下に何か置いてある。
「きちんとファイル」と書かれたオレンジ色の
ファイルを開けてみると、彼の名義の死亡保険。
受取人には私の名前。
私はすぐ受話器を手に取った。