気付かされたのは 家族のことをきちんと考えることの大切さだった
暮れに親友の一人を亡くした主人が、
ある日中身が一杯の大きなリュックを背負って帰って来た。
「実は、今度のアイツの命日に、前から望んでいた富山の立山へ登って、
ご来光の写真を撮ってきてあげたいんだ。」
・・・ですって。
登山したこともないのに、冬の山なんて・・・。
「やめてよ」
「何かあったら、私とこの娘はどうなるのよ!」
そんな本音を言いかけたとき、
でも彼の口をついて出たのがこんな言葉だった。
「僕も心配で、登山用品店に相談に行ったんだ。
そこで気付かされたのが、物を安易に捉えることよりも、
家族のことをきちんと考えることの大切さだった。」
「私は誰?」なのかということなんだ。
この中には君のこと、娘のこと 、親友のこと、その家族のこと。
まとめて形にしたものが記録として入っているんだ。
それから、前に君が行こうと言っていた保険のショップにも行って来たよ。
無駄遣いしている場合じゃないなと本気で考えて決めてきた。
これ渡しておくね。
「何コレ?」
「きちんとファイル?」
「何が入っているの?」
私たちへの、主人の想いだって・・・。
重い!