お父さんは私のこと嫌いじゃなかったんだ
結婚相手を反対されたことで、
父とはそれ以来会っていなかった。
父が脳梗塞で倒れたときでさえ、
お見舞いにも行かなかった。
突然届いた父の訃報。
兄から頼まれて、
父の家の片付けに行った。
整理箪笥の引き出しから、
わたしの幼い頃の写真が一枚出てきた。
写真と一緒に仕舞われていた
「きちんとファイル」
と書かれた冊子。
「何・・・ これ?」
開いてみると、受取人の欄に、
兄とわたしの名前。
お父さんは、
私のこと嫌いじゃなかったんだ。